たまちゃんのヨット四方海話(よもうみばなし)

ヨットで揺られるのが大好き。「日本貧乏セーラー連盟会長」を自称する普通のおっさんの備忘録。

【2022年度上架作業】シャフトシール交換と海水取込パイプ破裂

2022年度の上架で起こったこと。「トラブルその2」です。

トラブルその2.シャフトシールから水漏れ?!

上架作業のため伊東港から伊東サンライズマリーナへ移動。
上架後エンジン下を見るとたった1マイル、15分しか走ってないのにバケツ半分以上の水が溜まっている。

この船のシャフトシールはPSSではなくVOLVOのシールを使用している。
以前、PSSの船に乗っていたがこちらのほうが作りもシンプルで信頼性が高いと思っている。

VOLVOのシャフトシール

前回の出港時に少し漏水があり、グリスを追加して止まっていたのだが
今回たった15分でここまで漏水するとは異常だ。

考えてみれば前回交換したのは2015年の10月。
メーカーの耐用年数は5年とされているのでこれはまずいかも・・・

ということで急遽、シールを取り寄せ交換してもらった。

下架したとたん大変な事態に!

新しく交換したシールで水漏れもピタリ止まるはず。
全ての作業を終え、下架。
着水後、乗り込んでエンジン始動。
ギアをバックに入れようとしたら・・・・なにやらゴボゴボと水音!

「え?、シャフトシールは交換したばかりだぞ?」

慌ててエンジンルームをのぞき込むと・・・
なんと海水ポンプの手前でパイプが破れ、そこから凄い勢いで海水が入り込んでいるのだ。

たった1分も回さないうちにこれだけのビルジが。

まずはバルブを閉じて海水の流入を止め、すぐにエンジン停止。
一旦下架した船をそのまままた上架してもらう事態になってしまった。

再上架して確認してみると、海水ポンプの入り口に貝の欠片が溜まり、その脇に縦に大きな亀裂が入っている。
なんてこった!

貝の詰まりと破れたパイプ

海水取入口のスルハルバルブは2015年に交換したが、その時パイプも交換してくれたものと思っていたが当時の作業明細書にその項目がない。
つまり古いパイプのままで、かなりの年数が経過していたと思われる。

原因はパイプが劣化しているところに、貝の破片が入り込んでさらに内圧が高まっていたのだろう。
今回、船底の詰まりを解消したために、一気に高い水圧で吸い込みが起こり、劣化した箇所が破れたんだと思う。

よく見ると、破れた個所以外にも内部が割れて外皮が膨らみ、外皮だけでもっているところもある。
ここが破けるのも時間の問題だったろう。

ここもヤバかった。

幸いマリーナにパイプの在庫があったため自身で交換し、海水ポンプに貝の吸い込みがないか分解してインペラ点検。

インペラ異常なし。

さらに熱交換器までの海水循環パイプを全て外して詰まりや劣化がないか点検。
溜ってしまったビルジを輩出してやっとのことで下架することが出来ました。

エンジンオイルやベルトの張りなどの日常点検はしていたけど、パイプの状況や交換時期など、点検と確認をしていなかったミスだ。
沖で発生しなかったことが幸いだった。反省・・・

ということは・・・

回航時にビルジが沢山溜っていたのはシャフトシールからの水漏れと思って、慌ててシャフトシールを交換したが、実はそうではなく、海水取入パイプの小さな破れからの漏水だった可能性が高い。

まあシャフトシールはまだ持ったかもしれないが、そろそろ交換時だったのは間違いない。
これはこれで良しとすべきところだ。

(おわり)